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2018.04.28
日本の散骨の歴史 3.火葬の普及
現在では世界一を誇る日本の火葬率ですが、実は明治時代までは7割が土葬されていました。明治30年(1897年)の統計では、火葬はわずか29%。明治38年(1905年)では、大阪は90%と高いものの、東京は58%、埼玉や千葉は5%以下、宮崎、鹿児島、沖縄に至っては1%以下という数字が残っています。つまり都市部以外はほとんど土葬されていたことになります。
その後、大正時代に火葬技術が飛躍的に進歩し、昭和12年(1937年)に近代的な葬祭ホールが併設された「瑞江葬儀所」を東京市が竣工したのを契機に全国的に火葬施設が広まっていきました。
戦後、昭和23年(1948年)に「墓地、埋葬等に関する法律」が施行され、現在に至るまでの墓地法規となりました。この法律が作られた目的は、公衆衛生の側面が大きく、遺体は火葬場以外の場所で火葬してはならない、墓地以外の場所に埋葬してはならないと記載されています。この法律の成立以降、日本の火葬率は、100%に近くなるまで上昇して墓地の整備も進みました。