終活コラム

  • 2018.09.04

    「墓じまい」の段取り

    いざ「墓じまい」を行おうとしたとき最もトラブルが多いのは親類同士の意見の対立に起因する争いです。そのようなトラブルを回避して「墓じまい」をスムーズに行うためにも事前の準備が大切です。

    1.「墓じまい」をするために最初のステップは、「親族で相談する」こと

    お墓は代々の遺骨が納められていることが多く、直接管理している家族だけでなく、親族で相談しておくことが大切です。後々になってトラブルにつながらないよう、きちんと話し合っておきましょう。こういった話し合いはお盆や正月に親戚一同が集まった際に話題として上がるようですが、なかなかまとまらないのが現実です。墓じまいの話がまとまった方は幸運なのかもしれません。

    2.お寺や霊園など、現在の墓地管理者に墓じまいすることを伝える

    長い間お墓を守ってきてくれましたお墓に対しても、余裕をもって事前に相談しておきましょう。直前になって墓じまいを進めるのは失礼にあたり、工事などで迷惑をかける可能性があります。お寺によっては離壇を阻止するために高額な離壇料を請求されたりすることもあるようですが、大抵の場合はすんなり受け入れてくれるようです。金銭面ではある程度譲歩するなどよく話し合いましょう。

    3.遺骨の移転先を決める

    「墓じまい」をする理由の多くは「墓守がいなくなるから」というケースですので、管理や維持費がかからないものを選ぶ傾向が高いようです。納骨堂などは管理者を選出しなければなりませんし、お墓と同じくらい維持費がかかりますので継承者のいない墓じまいの意味があまりありません。公営墓地への改葬合祀や散骨、永代供養などを選ぶ方が多いようです。

    4.改葬許可証を発行してもらう

    現在の墓地のある市区町村役場で、「改葬許可申請書」をもらいます。この書類は、遺骨1体につき1枚ずつ必要になります。改葬許可申請書に、現在の墓地管理者から埋葬証明の印をもらったら、受入れ許可証とともに役所に提出し、「改葬許可証」を受け取ります。

    5.墓を撤去する専門業者を決める

    撤去する業者は墓石屋さんになります。お寺などによっては指定業者がある場合があります。撤去の費用は面積あたりいくらという見積もり方法が一般的で、だいたいの相場は20~30万以内と言われています。墓地が狭くクレーン車が横付けできない、小型の重機が入れないとなると割増費用が掛かり高くなります。

    6.遺骨を取り出しメンテナンスする

    お墓の中にあった遺骨は湿気を含み溶解していたり、カビが生えていたりしますので、新しい骨壺に入れ替えたりお手入れが必要になります。土葬や未火葬の場合がありますので、この場合は骨壺から取り出し麻袋などに入れ、ダンボールなどに収納して保管し、市役所で再火葬の申請をして再火葬します。

    7.墓石を撤去し更地にする

    更地にした後は墓地管理者に永代使用権を返納して終了です。
    墓じまいはお金も時間もかかりますので一大行事ですが、放置したまま無縁仏にするくらいならキチンとしたいという方々が取り組む新しい供養のカタチと考えることができます。

    「お墓が遠くにあるのでお墓参りが難しい」という理由で「墓じまい」をする方は、お墓を住まいの近くに移動することも可能です。しかし、身寄りのない方が行う「墓じまい」は、「お墓の後継者がいない」ため永代供養や散骨などが選ばれます。

    お墓のことでお困りの方は、こちらまでご相談ください

  • 2018.08.10

    「墓じまい」どうしたら良い?

    今年もお盆休みの時期が訪れました。

    一般にお盆とは8月13日から8月16日までの4日間を指します。最近は、あえて交通機関が込み合うこの時期を避けて夏休みを取得する会社員の方も増えてきているという印象がありすが、楽天リサーチが昨年全国の会社員に取ったアンケートの結果では、夏季休暇の取得時期については、9割近くが「8月」(89.4%)という結果になりました。8月を避けて7月や9月に休暇を取得する予定の人は2.0%というごく少数となりました。

    更に、夏季休暇の予定について聞いたところ、「自宅で過ごす」という回答が40.2%で最も高い結果になりました。移動を伴う過ごし方については「国内旅行」(35.3%)、「お墓参り」(29.2%)、「遠出ではない買い物など外出をする」(28.8%)と続きました。「海外旅行」については9.9%と最も少ない結果となりました。
    年代別に見ると、20代、30代は「帰省」(20代:36.3%、30代:37.3%)、「プール・遊園地・海水浴などレジャースポットに行く」(20代:21.9%、30代:22.5%)の項目において他の年代と比べて割合が高かったようです。

    この結果から夏休みに帰郷してお墓参りをするという旧来からの夏休みの過ごし方をしている層が存在しています。
    祖父母や両親が健在のうちは、実家でのんびり過ごしお盆には先祖のお墓参りをするという夏休みはまさに〝日本の夏″ということでしょうがそのような過ごしかたも時代共に変わってきています。

    核家族化が進み都心に人口が集中して地方で過疎化が進む状況下ではお墓の後継ぎがいないといった理由で「墓じまい」を真剣に考えている人が増えています。
    墓じまいとは管理ができなくなったお墓を解体・撤去してさら地に戻すことですが、埋葬・埋蔵されていた遺骨を管理しやすい形で新しいお墓に移す「改葬」や、お墓そのものを無くし、「散骨」「手元供養」の方法で供養するなどさまざまな選択肢があります。
    いずれにしても、きちんと段取りを踏んで行なう必要があります。段取りを踏まなかったことが原因であとあとトラブルになるケースがありますので注意が必要です。

    このコラムのでも以前お伝えした通り(2018.06.18)引き取り手のない無縁仏が全国の政令指定都市だけで計約7400柱に上り、10年でほぼ倍増しています。

    無縁墓のまま放置されてしまうと、最終的には行政措置により解体・撤去されることになります。
    「墓地、埋葬等に関する法律」という法律があり、その法律で規定された行政手続き(官報への公告・墓地に立て札を立てる等)を行なって、墓所の使用者・縁故者から1年間申し出がなかった場合に無縁墓の解体・撤去ができるものとされています。無縁墓に納められていた遺骨は、納骨堂や無縁塚などに改葬されます。
    撤去して不要になった墓石は処分場で粉砕され、道路工事用の砂利などに再利用されることもあるようですが、墓じまいを請け負った事業者のなかにはそうした時間と費用を惜しんで不法投棄するケースもあり社会問題化しています。

    次回は、具体的に「墓じまいの段取り」をご説明したします。

  • ペットのお墓事情 供養の新しいカタチ

    長い時間を共に過ごし、深い絆をもってわたしたちの生活をより素晴らしいものとしてくれる、かけがえのない存在となっているのが犬や猫に代表されるペットの葬儀事情です。
    全国でペットとして飼育されている犬は890万頭、猫が950万頭、合計で1840万頭(2017年調べ)です。全国の5800万世帯という数字から換算すると3世帯に1頭のペットが飼われていることになります。
    1世帯で複数頭買っていることを想定しても、5世帯のうち1世帯は犬や猫を飼っていると考えられると思われます。
    それだけペットが現代人の生きがいの一部になっている状況は、疑いのない事実のようです。

    ペットの平均寿命は、犬全体の平均寿命は14.19歳、猫全体の平均寿命は15.33歳という統計が出ています。犬は、超小型犬、小型犬の寿命が長く、また、猫の場合、「家の外に出ない」猫の平均寿命は16.25歳、「家の外に出る」猫の平均寿命は13.83歳と寿命に大きな差がありました。

    しかし、犬猫の年代別の飼育意向を比較してみると、5年前と比べ犬の飼育意向はどの年代でも減少しています。中でも50代では飼育以降が比較的飼育意向は高い世代ですが、低下も顕著なのが50代でした。

    これは、ペットの寿命を考慮すると自分自身の体調の変化や健康、経済的負担に対する不安が出始める世代という事も影響しているのではないかと思われます。一方猫の飼育意向は、5年前と比べてほぼ横ばいとなっています。

    実際に犬や猫などペットが亡くなった場合に専門業者に依頼するケースが一般的です。実際の流れの一例をご紹介します。

    ①ペット葬儀社に連絡して内容を決める
    ペット葬儀のは、葬儀と言っても火葬し埋葬するだけの場合が多く、葬儀を行うにしても家族だけで行う場合が多いようです。
    火葬したお骨は埋葬まで依頼するか、返骨を依頼するかなどを決めます。

    ②迎えが来るまでペットを安置しておく
    直ぐに引き取りに来てもらえない場合は、遺体を家で安置しておく必要があります。このとき、人間と同じように氷やドライアイスなどで冷やして、遺体を保全します。

    ③火葬
    火葬に立ち会う場合は、ペットが使用していたおもちゃや花などを一緒に入れることができます。火葬車の場合はお預けしたその場でお別れになります。

    ④納骨・供養
    遺骨の納骨まですべて委託する場合は、その業者によって納骨されます。ご自身でお墓をお墓を建てる場合や散骨を行う場合は遺骨を受け取り、その後供養する方法を決めます。粉骨することで手元供養やご自宅の庭に撒くなどが可能になります。

    ペット供養として一戸建てに住まわれている方の場合は、自宅の庭に散骨したりお墓を建てることも増えています。またマンションなどにお住まいの方でも、身近で供養ができる屋内用のお墓なども開発されています。

    家族の一員として、良きパートナーとして共に過ごしてきた時間を忘れずに、そしてこれからの時間を共に過ごせるようなペットの供養の新しいカタチが選択肢として広がっています。

    参考)一般社団法人 ペットフード協会 平成29年(2017年)全国犬猫飼育実態調査 結果

  • 2018.07.14

    お墓の悩み 成人女性の6人に1人が「散骨」を希望

    2016年に出版会社が20 歳以上の女性を対象に「お墓参り」について調査を実施した結果より。

    「どのようなお墓に埋葬されることを望みますか? 今のお気持ちに一番近いものをお選びください」と尋ねたところ、「今はまだ考えていない」25.0%という回答が1位になりました。何かきっかけがないと自分のお墓や埋葬については思い至らないのが現実かもしれません。続く2位は「散骨」という結果に。お墓という「モノ」自体に入らないことで将来の心配ごとを減らす意味もあるのでしょうか。「永代供養」や「その他」の自由回答で挙げられた共同埋葬、樹木葬なども同じような考えからと思われます。「旦那の実家はお墓を持たない主義。後々のことも考えてのこと。その方がいいかもしれません」(40 代・専業主婦) 、 「最近自分の知り合いの中にお墓を作らず永代供養を頼む人が増えてきました。ひと昔前までは薄情に思う事が多かったですが、誰にも迷惑をかけずきちんと終活するという姿勢は立派だと思うようになってきました」 (50 代・パート) 、「 こちらで墓地を一応購入しておりましたが、子供はいますが孫がいませんので、迷惑をかけるし、いまは共同埋葬地を考えています」( 60 代・専業主婦)というような声も寄せられました。

    時代と共に家族の形が変わっていく今、お墓があり、お参りをすることで「家族であること」への意識が深まる事実があることがわかりました。その反面、かつては「当たり前」だったお墓を受け継いでいくことの「重さ」にとまどいを感じ、何か手を打ちたいがなかなか行動に移せない、というジレンマを抱える人が少なくないことが浮かび上がりました。

    アンケート概要
    ●調査対象:オレンジページくらし予報モニター会員・国内在住、20 歳以上の女性
    (有効回答数960 人)
    ●調査方法:インターネット調査 ●調査期間:2016 年8 月24 日~8 月30 日

    ●『オレンジページ』について
    失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊31 周年を迎えた生活情報誌。30~40 代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=336,755 部(2015 年印刷証明付発行部数)。

    株式会社オレンジページ
    コトデザイン部 くらし予報担当 Tel. 03-3436-8418
    http://www.kurashi.orangepage.jp/

  • 2018.07.13

    お墓の悩み 女性の約8割が何らかの悩みを抱え、1割が「墓じまい」検討 

    2016年に出版会社が20 歳以上の女性を対象に「お墓参り」について調査を実施した結果によると、少子化、人口の大都市集中などによる「家族のあり方の変化」と連動し、これからのお墓に対する考え方が大きな転換期を迎えつつある、と考えさせられる結果となりました。

    「お墓について、考えていること、悩み、心配なことなどはありますか?」という質問への回答では、「特に悩み、心配なことはない」と答えたのは19.2%。つまり残りの8 割以上の方が何らかの悩みごとや、心配を抱えているということになります。

    一番多い「将来、自分の子どもにお墓のことで迷惑をかけたくない」は全体で 38.6%、既婚者に限定すると 46.0%と半数近くに。次いで「自分や配偶者の後にお墓の世話をしてくれる人がいない」は全体で 24.8%と、これからのお墓の管理についての悩みが上位に入りました。

    子どもが遠方に住んでいる、独身のままでいる、結婚していても子どもがいないなどの要因により、お墓を継ぐ人がいなくなってしまう場合や、子どもがいても、少子化によってひとりの負担が大きくなることを危惧するということもあるかもしれません。悩み、心配ごとがある一方で、今後のあり方として「自分の代で『墓じまい』を考えている」は全体で 10.4%、「お墓の引越しを考えている」は全体で 2.5%との結果に。いろいろと心配には思っているものの、具体的な行動に出るのはまだ、と先送りにしていたり、自分や配偶者の死や、代替わりを早々と考えることは良くないと捉えていたり、結局、今あるお墓に入るしかないと考えていたる様子がうかがわれます。

    アンケート概要
    ●調査対象:オレンジページくらし予報モニター会員・国内在住、20 歳以上の女性
    (有効回答数960 人)
    ●調査方法:インターネット調査 ●調査期間:2016 年8 月24 日~8 月30 日

    ●『オレンジページ』について
    失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊31 周年を迎えた生活情報誌。30~40 代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=336,755 部(2015 年印刷証明付発行部数)。

    株式会社オレンジページ
    コトデザイン部 くらし予報担当 Tel. 03-3436-8418
    http://www.kurashi.orangepage.jp/

  • 2018.07.09

    手元供養を考える 「いのりのしんじゅ」

     

    前回「手元供養を考える」でご紹介した通り、現在では手元供養品としてお骨を入れるミニ骨壺・ペンダントお骨からダイヤンモンド等の様々な選択ができる時代となりました。
    今回は、伊勢志摩の英虞湾より 遺骨を含むセラミック核から真珠を作る″いのりのしんじゅ″をご紹介します。
    ″いのりのしんじゅ″は、養殖真珠の工程と同じく挿核手術 ( 核入れ ) 養生・沖出し・監理・浜揚げを経てお骨を含んだセラミック核に真珠層を生成します。

    一般的に核入れされた貝の約半分が真珠をつくらず、20%がそれなりの真珠となり、綺麗な真珠となるものはわずかに5%ほどです。
    核入れ後の養生期間で、1割~2割の貝が死んでしまうか核を吐き出してしまいます。1回のオーダーにつき90個の貝を養殖するので、できる真珠は3珠~18珠程となります。
    一般に販売されている真珠は加工された製品がほとんどですが、受け取れる真珠は生珠です。その中には形が整っていない物やおうとつの有る物も含まれます。
    装飾品の様な綺麗さを第一と考えるのでは無く、大切な方を自然が包み込んだ形として受け止めていただきたいというのがコンセプトです。

    “いのりのしんじゅ” はお骨を預かり出来上がった真珠を届けるだけではなく、5月〜7月の核入れ12月の浜揚げに立会い、新たな命の始まりから誕生するまでの難しさ大切な方の蘇った瞬間の感動までを感じるまでがすべて商品との考えです。
    お骨と粘土を混ぜ合わせセラミック核を形成し真珠養殖と同じ工程で行うので、外側は天然の真珠層に包まれた真珠です。

    お骨を他の形に変えるダイアモンド等との違いは 渡される真珠は1つではないことです。
    90珠核入れを行い出来上がった真珠は全てもらうことができるのです。
    出来上がった真珠をケースに収めて手元供養の形とするか 普段に身につけられる 指輪・ペンダント・イヤリング等にもする事も可能。

    核入れ時期については5~7月初旬、浜揚げについては12月の初旬から末となります。
    核制作については全て手作業となりますので、ご注文が核入れ時期に近い場合はお受けできない場合があるとのこと。

    ■  いのりのしんじゅ URL : http://www.inorinoshinju.com

  • 2018.07.02

    海洋散骨と共に手元供養を考える

    故人の希望などで海洋散骨を希望される方でも、お骨の一部を手元供養として残したいという方が多いようです。

    手元供養について整理しておきましょう。
    故人が亡くなられると通夜と告別式が行われ、その後、遺体を火葬に付して遺骨を骨壺に入れます。骨壺はしばらくは自宅で保管し、一般的に仏式の場合は四十九日の法要後に納骨が行われます。

    手元供養では墓地や寺院に遺骨を納める際、遺骨の一部を分けて分骨するケースが多いようです。海洋散骨でも同様に、粉骨した遺骨の一部を分骨するケースが多いです。

    もうひとつは、いったん墓地や寺院に納めた遺骨を分骨し、手元に置くケースです。この場合、墓地の管理者の承諾などが必要になることがありますし、永代供養墓や本山納骨のように他の遺骨と一緒になっていると分骨することはできません。

    では、分骨した遺骨を自宅でどのように保管するのでしょうか。これにはいろいろなパターンがあります。
    例えば、
    ・小さな骨壺に分骨した遺骨を納め、マンションなどのリビングにおける小型の仏壇に置くのという伝統的な方法。  費用(骨壺のみ)3,000円~10万円程度
    ・仏壇も置かず、焼き物や石などのオブジェ、あるいはペンダントやリングに分骨した遺骨を納める方法。容器を用意するだけで済み、手間もさほどかかりません。費用(ペンダントなど)2,000円~5万円円程度
    ・加工型などと呼ばれ、遺骨や遺灰の一部を釉(うわぐすり)にまぜて焼き物にしたり、人工ダイヤモンドにする方法。ダイヤモンドの場合、製造は米国やスイスなど海外で行われるようです。費用(焼き物~人工ダイヤ)3万円~300万円

    このように一言で手元供養と言っても、さまざまな方法があります。今後さまざなま手元供養の方法について詳しく解説していきます。

  • 2018.06.18

    30人に1人が、引き取り手のない無縁仏

    全国で無縁仏が急増しています。毎日新聞が調べたところ全国の政令指定都市で計約7400柱に上り、10年でほぼ倍増。最多は大阪市の2999柱。横浜市979柱、名古屋市607柱と続きます。国立社会保障・人口問題研究所によると、2016年の死者は約130万人/年で、年間の死亡数は今後も増加傾向を示すことが予想され、最も年間死亡数の多い2040年までに約36万人/年増加すると推計されて「多死社会」に突入します。少子高齢化の影響もあり、今後も無縁化が進む可能性があります。

    そのような中、横須賀市では「横須賀市エンディングプラン・サポート事業」をスタートさせました。横須賀市でも、ここ10年の間に無縁遺骨が増えてきましたが、多くが住民登録のある一般市民で、預貯金を引き出す親族も現れません。市は公費で火葬を行い、無縁納骨堂に納めてきました。一方「自分の最後の預金で無縁“仏”にして欲しい。」という遺書の発見もあって、“今の状態は御供養と言えるのか?”“独居で身寄りのない市民の生前意思を聞くべきだ”と言う機運が広がり、3年の歳月を経て実現されました。

    同市内の無縁骨はH15年度16柱でしたが、H26年度には60柱に増加していました。この事業はH27年度途中からのスタートですが、無縁骨は34柱に減り、葬祭費も約1,200万円(26年度)から、約700万円(27年度)に激減しているそうです。登録者のうち既に2名が死亡し「亡夫の骨と一緒に」などの希望も実現しています。

    横須賀市「エンディングプラン・サポート事業」概要

    (1)終活課題についての相談
    葬儀・納骨・死亡届出人・リビングウィル(延命治療意思)について、ご相談をお受けし、解決に必要な情報を提供します。※必要に応じ、専門家による相談もご案内します。

    (2)支援プランの策定と保管
    解決策について、一緒に支援プランを立て、これを保管します。また、リビングウィルも、ご希望により、任意書式の書面を保管します。※登録カードをご携帯いただき、登録証を室内に置いていただきます。

    (3)終活課題の解決に向けた連携・支援
    支援プランに基づいて、ご本人の入院・入所・死亡などの局面ごとに、あらかじめ指定された関係機関・協力事業者・知人の方々などに速やかに連絡し、連携して終活課題の円滑な解決に向けた支援をします。

    〈相談窓口〉横須賀市福祉部生活福祉課自立支援担当 電話046-822-8070

    参考:総務省「地域の元気創造プラットフォーム公式サイト」横須賀市ホームページ

  • 2018.06.01

    「感謝の会」生前葬で話題になった元コマツ社長の安崎暁さん死去

    昨年12月に「感謝の会」として生前葬を開いたことで、話題になった元コマツ社長の安崎暁さんが2018年5月26日に胆のうがんで亡くなりました。
    新聞で告知を行い「感謝の会」には同級生や会社関係者などおよそ1000名が出席しました。会を終えて安崎さんは、「死んでから葬式にきてもらっても自分がその場にいることができない。私の人生でめぐり会った人に握手をしてありがとうと言えたことに非常に満足しています」と話していたそうです。
    人生の終わりをどのように迎えるかを考える「終活」への関心が高まる中で、大企業の元社長が自分らしく生き終わりを迎えることを実践した今回の生前葬は、多くの人たちから共感を呼びました。

    「元気なうちに皆さまに感謝の気持ちをお伝えしたい」―。コマツ元社長で、東京徳島県人会元会長の安崎暁(さとる)氏(80)=横浜市=が、がんにかかったことを公表し、お世話になった人に「感謝の会」への参加を呼び掛けた新聞広告が反響を呼んでいる。11月20日付の徳島新聞朝刊などに掲載された。
    延命治療を受けないことも明らかにし、インターネット上では人生の最期を考える「終活」の一つの在り方と受け止められている。
    安崎氏は1995年から2001年までコマツ社長を務めた。その後、会長、相談役を歴任し、国家公安委員会委員にも就いた。引退後は講演活動などを行っていたが、今年の10月上旬にがんが見つかり、転移も多く手術はできないと診断されたという。
    徳島新聞の広告では「残された時間をクオリティー・オブ・ライフ(人生の質)優先にしたく、副作用の可能性のある治療は受けないことにしました」と明かし「(感謝の会に)ご参加いただき、お会いできたら最大の喜びです」と記した。(徳島新聞より)

  • 日本の散骨の歴史 5.散骨という選択と法解釈

    平成3年(1991年)、市民運動団体の「葬送の自由をすすめる会」が発足し、海や山への散骨を「自然葬」と名付け、同年10月に第一回目の海洋散骨による自然葬を相模灘で行いました。この第一回目の自然葬はマスコミでも取り上げられ大きな反響がありました。当時の法務省は、マスコミ関係からの問い合わせに対し刑法190条で規定する遺骨遺棄罪と散骨との関係について「この規定は、社会的習俗としての宗教的感情などを保護するのが目的だから、葬送のための祭祀で、節度を持って行われる限り問題はない」という趣旨の見解を初めて明らかにしました。
    また、関連するもうひとつの法律「墓地、埋葬等に関する法律」について、当時の厚生省は「この法律は、もともと土葬を対象にしていて、遺骨を海や山に撒くといった葬法は想定しておらず対象外である」と述べました。
    こうした国の見解が明らかになったことにより、これまで違法だと考えられていた散骨が死者をともらう祭祀として相当の節度をもって行うならば違法ではないという法解釈が定着するきっかけとなりました。
    現在は、有名人をはじめとする多くの人が散骨を行うことになり、散骨に対する社会的合意ができつつあります。

  • 日本の散骨の歴史 4.火葬後、墓地に埋葬がスタンダードに

    戦後、昭和23年(1948年)に施行された新民法により、明治時代に作られた「家制度」は廃止され、夫婦単位の世帯を基本に様々な制度が整備されていきましたが、お墓などの祭祀財産(さいしざいさん)は分割して相続することができないため、戦前と同じように、基本的には戸主、慣例に従い長男が相続し管理することが規定されました。
    こうして、すべての国民は、死後は火葬されて墓地に埋葬されるのが当たり前という社会通念が出来上がりましたが、高度経済成長を経て、都市部への人口集中、少子高齢化、環境問題など様々な社会課題を背景に、墓地への埋葬以外の方法が出現し始めました。

  • 日本の散骨の歴史 3.火葬の普及

    現在では世界一を誇る日本の火葬率ですが、実は明治時代までは7割が土葬されていました。明治30年(1897年)の統計では、火葬はわずか29%。明治38年(1905年)では、大阪は90%と高いものの、東京は58%、埼玉や千葉は5%以下、宮崎、鹿児島、沖縄に至っては1%以下という数字が残っています。つまり都市部以外はほとんど土葬されていたことになります。
    その後、大正時代に火葬技術が飛躍的に進歩し、昭和12年(1937年)に近代的な葬祭ホールが併設された「瑞江葬儀所」を東京市が竣工したのを契機に全国的に火葬施設が広まっていきました。
    戦後、昭和23年(1948年)に「墓地、埋葬等に関する法律」が施行され、現在に至るまでの墓地法規となりました。この法律が作られた目的は、公衆衛生の側面が大きく、遺体は火葬場以外の場所で火葬してはならない、墓地以外の場所に埋葬してはならないと記載されています。この法律の成立以降、日本の火葬率は、100%に近くなるまで上昇して墓地の整備も進みました。

  • 日本の散骨の歴史 2.家制度と納骨

    一つの墓に何人も入るという現在のような「家の墓」が一般化したのは、明治31年(1898年)に施行された「明治民法」以降です。明治政府は、江戸時代の藩幕体制から、天皇を中心とする近代国家を作るためにさまざまな改革を行いましたが、その中で、天皇家の「万世一系」を強調し、すべての国民を戸主と家族からなる「家」を単位として統治しようとしました。いわゆる「家制度」の誕生です。
    この明治民法の法制化と全国的な火葬の普及によって「〇〇家の墓」という家墓は全国的に広まり、火葬による「収骨」「納骨」という儀式が生まれ、お墓は「家」の先祖を崇拝するシンボルとなり、子孫は「家」を存続させるために墓を守り、盆や彼岸や命日に墓参りをすることなど供養を続けていくことになりました。

  • 日本の散骨の歴史 1.火葬の始まりと葬儀

    日本の火葬率は、99.98%と、世界一を誇っています。その歴史をさかのぼると紀元前600年ころになります。
    紀元653年に遣唐使に追行して帰国した法曹宗の開祖となった高僧道昭が、紀元700年に遺命して自らを荼毘に付されました。これが我が国の火葬の起源だということが「続日本記」に記されていますが、大阪の堺市にあるカマド塚や和泉市の聖神社の古墳などの遺跡の発見により、火葬の風習はそれ以前にあったとも言われています。
    第53代の淳和天皇は、「いま、骨を砕いて粉として、山中に投ずべし」という宣旨(せんじ)を出し、840年に自らの火葬後の焼骨を京都、大野原の西山に散骨させ、山稜を作らせなかったといいます。遺灰をまくという習慣は、奈良時代に広く行われていたと言われています。
    「玉梓の妹は玉かも あしびきの 清き山辺に まけば散りぬる」の歌のように、万葉集には散骨について描写した歌がいくつかあります。
    江戸時代の初期に幕府は、キリシタン禁圧をねらって、寺院に檀家の戸籍を把握させたので、寺院が墓地を管理し、火葬を実施するのが一般的になりました。この檀家制度により庶民の間にも墓への埋葬が広まり、また、五人組制度の強化により、一般庶民も互助共済によって葬儀を手厚く執り行うことが増えました。江戸時代は幕府の政策である檀家制度によって葬儀から遺体・遺骨の埋葬供養に至るまで、寺院が絶対的な権力を有し続けたため、お墓を建てない散骨のような弔い方法は、あまり記録が残っていません。

  • 2018.04.20

    終活・海洋散骨事業の創業の想い

    私が海洋散骨事業をスタートさせたきっかけは2つあります。

    1つ目は、2017年に両親を相次いで亡くしたことです。
    父親が亡くなった時は、5年前の脳内出血を境に要介護状態が続いていたため、ある程度の覚悟はできていました。しかしその4か月後、母親がくも膜下出血が原因で倒れました。父親の四十九日法要が済み、新盆の準備をしていた時期でした。
    まさか、昨日まで元気だった母親の葬儀を立て続けに行うことになるとは夢にも思わなかったため、大きな喪失感に見舞われました。
    法要も無事に済ませ両親は生前に準備していた市営霊園に納骨しました。しかし、私たち夫婦には子供がいないため最後に残った者が市営霊園に入ったとしても、墓守をしてもらう子や孫はいないのが現実です。
    そのような中で、散骨という選択肢があることを知り、書物を調べたり終活セミナーに参加したりして社会的に意義のある仕事だと確信しました。

    2つ目は、私自身のキャリアを生かせると確信したことです。
    私は、今までに人材関連会社に10年、生命保険会社に10年、その後出版や動画制作などを通じて法人・個人の課題に対してさまざまな解決策をご提案してきました。
    単に海洋散骨の施行だけでなく、エンディングノートや終活に対するカウンセリングに基づいた「自分らしく生きる海洋散骨」を世の中に広めたいと考えています。

    主に
    ・エンディングノートの書き方
    ・メモリアルビデオ制作
    ・墓じまい
    ・海洋散骨
    など終活に関わるご相談にも応じています。

    所有する主な資格
    ・ファイナンシャルプランナー
    ・小型船舶免許1級
    終活カウンセラー(一般社団法人 終活カウンセラー協会)
    海洋散骨アドバイザー(一般社団法人 日本海洋散骨協会)

小松FP事務所代表小松俊一

青山学院大学経営学部卒業後、リクルートグループ会社で10年間求人広告、社員教育の営業に携わり社長賞など受賞。その後外資系保険会社の日本法人の設立メンバーして東京西支社で人材採用や教育を担当し、40歳で起業。上場企業向け広報・IR事業を展開する傍ら、個人向けコンサルティングも行ている。

所有する主な資格

  • ファイナンシャルプランナー
  • 小型船舶免許1級
  • 終活カウンセラー
    (一般社団法人 終活カウンセラー協会)
  • 海洋散骨アドバイザー
    (一般社団法人 日本海洋散骨協会)